6月20日、メディア・ツーリズム研究センターによる主催で、「瞬間を切り取る:旅行、メディア、文化継承 」の2回目のイベント、「はざま--母語のための場を探して」は北海道大学高等教育推進機構N棟 Sky Hallにて開催されました。
研究会は、ドキュメンタリー映画『In Between ― In Search of Native Language Spaces ― はざま―母語のための場をさがして』の上映と、その後のトークセッションの二部構成で実施されました。
映画の監督である朴基浩(ぱく・きほ)氏は、映像制作に携わっていると同時に、ローカルコーディネーターとして番組制作に参画するほか、NPO法人IKUNO・多文化ふらっとのアドバイザーなども務めています。また、映画の制作には、上智大学の田中雅子教授が代表を務める「日本と出身国を往来する移民の子どもの社会再統合を見据えた言語教育―母語・公用語の補習教室を地域の『多文化共生』の拠点に(Migrant Children Language: MICLE)」プロジェクトの助成を受けています。
映画では、日本に移住し、地域に根ざして生活する外国ルーツの親子が多く直面している「母語」をめぐる問題に焦点が当てられています。とりわけ、移民の子どもたちが出身国の言語を学び続ける環境を、日本社会の中でいかに確保していくのかという問いを軸に、日本各地の移民コミュニティの現場が記録されています。
上映後のトークセッションには、上智大学の田中雅子教授、北海道大学のパイチャゼ・スヴェトラナ教授、ならびに北海道大学のサヴィヌィフ・アンナ講師が登壇しました。トークでは、現代日本における移民の言語継承や言語教育の現場に長年関わってきた三名の研究者が、映画で扱われたテーマを手がかりに、移民の子どもの教育、言語、そしてアイデンティティをめぐる課題について、多角的かつ深化した議論を展開しました。
当日は約20名の参加者が来場しました。映画上映およびトークセッション終了後、参加者それぞれの視点や経験に基づき、移民、言語、教育などをめぐるさまざまな質問が寄せられました。登壇者と参加者との間で活発な意見交換が行われ、非常に有意義な研究会となりました。
