当センターの天田顕徳准教授が分担執筆者として参加した書籍『ポストコロナ時代の東アジア』(玄武岩・藤野陽平 編)が、2020年勉誠社から出版されました。
【内容紹介】
新型コロナウイルスのパンデミックはかつてない社会的混乱を招いている。
日本・台湾・韓国・中国・香港はこの危機にどう対応したのか。
都市封鎖や各種の自粛措置、メディア戦略、「新しい生活様式」等の各国の政策から、疫病除けの妖怪「アマビエ」の流行、各国の宗教対策まで、メディア・社会・宗教など多様な視点から比較検証。
国家と市民社会の関係、社会のゆがみを浮き彫りにし、国境を越えた連帯と共感の必要性を問い直す。
【目次】
序言 境界を越えた「連帯」のコミュニケーションへ―ポストコロナ時代の東アジア 玄武岩・藤野陽平
Ⅰ ポストコロナ時代の政治とコミュニケーション
日本における新型コロナウイルス感染症とマスメディア報道 森類臣
新型コロナ対策優等生台湾の初動体制―開いたものと閉じたもの 藤野陽平
開放性・透明性・民主的参加に基づく先制的対応が功を奏して 玄武岩
中国:情報隠蔽から情報公開へ―ソーシャルメディアの活躍と独自な国民世論の形成 王冰
中国における既存メディアとソーシャルメディ共存時代の考察 牛静
香港における新型コロナについての一考察―市民社会の力 伍嘉誠
東アジアの新型コロナウィルス感染封じ込めにみる検討課題 上水流久彦
【コラム】朝鮮民主主義人民共和国における新型コロナ感染症対策 森類臣
Ⅱ 新型コロナウイルスと変容する社会
百年前のマスク―「スペイン風邪」瞥見 渡辺浩平
「自粛」する日本社会―三十四年分の新聞記事を数えてみる 森山至貴
COVID-19影響下のリモートワークで派生した組織コミュニケーション課題―特に「身体性問題」(DX/RWの穽陥)を超える為に 辻本篤
台湾山地先住民の村における新型コロナウイルス感染症のインパクト 宮岡真央子
「距離」と性的マイノリティ―韓国のナイトクラブにおける集団感染から 斉藤巧弥・芳賀恵
韓国におけるコロナ対策と(非)可視化される人々―在外同胞・移住民を中心に 趙慶喜
ジャーナリズム研究者が見たサイバー空間上のアンチ・コロナ運動 陳昌鳳
Ⅲ コロナ時代にみる東アジアの信仰の姿
祭礼の中止、妖怪の流行―「疫病除け」を手掛かりに 天田顕徳
疫病と民間信仰―祭礼・アマビエ・鼠塚 鈴木正崇
コロナ問題と現代宗教 井上順孝
疫病と台湾の民間信仰 三尾裕子
感染症のパンデミックと分断の可視化―コロナテスト中の韓国社会と宗教を問う 李 賢京
【コラム】香港におけるコロナと宗教 伍嘉誠