2025年10月17日から19日にかけて、2025年度東北アジア学生国際フォーラムが北海道大学において開催されました。今年度のテーマは「文化と記憶の交差点:日韓中露の未来を共に考える」でした。
本フォーラムは、漢陽大学大学院日本言語文化学科BK21FOUR「地域文化の創出と人文活動方法論を構築するための日本学教育研究チーム」と北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院メディア・ツーリズム研究センターの主催、韓国研究財団新進研究者支援事業(人文社会)「日帝強占期における極東韓人のサハリン移住と歴史記憶の研究」の共催により実施されました。
3日間にわたって開催されたフォーラムは、上映会、学術大会、市内調査という三つの主要な活動で構成され、充実した内容となりました。17日には、メディア・ツーリズム研究センター主催のシリーズ企画「瞬間を切り取る:旅行、メディア、文化継承」の第5回として、雲南に居住している民族、独竜族をテーマとする映画の上映会とトークセッションが行われました。
今回の上映会では、1957年に撮影された雲南の少数民族・独龍族を題材とするドキュメンタリー作品と、同じ民族を対象に2021年に制作された映像の二作品が上映されました。上映会の開会にあたり、メディア・ツーリズム研究センターセンター長、パイチャゼ・スヴェトラナ教授より開会のご挨拶をいただきました。上映後のトークセッションでは、北海道大学メディア・コミュニケーション研究院の天田顕徳准教授、雲南大学ジャーナリズム学院の晋群准教授、およびメディア・ツーリズム研究センターの董子昂博士研究員が、雲南の民族・歴史・映像制作などをめぐって活発な議論を交わしました。
18日には、「文化と記憶の交差点:日韓中露の未来を共に考える」のテーマで学術大会が開催されました。開会式では、漢陽大学大学院日本言語文化学科「地域文化の創出と人文活動方法論を構築するための日本学教育研究チーム」金志英チーム長よりご挨拶がありました。その後、「多言語環境の理解」、「メディアと異文化」、「東アジアの政治環境」および「Migrants and Minorities」の4つのセッションに分かれ、北海道大学と漢陽大学にに所属する教員・学生が、それぞれ異なる主題をめぐって日本語と英語で口頭発表を行いました。各セッションでは、両大学の教員が司会またはコメンテーターを務め、発表内容に関する議論を深めました。
四つのセッションと学術ネットワーキングが終わり、地域と記憶をめぐってラウンドテーブルが行われました。参加者として、ロシア大統領附属国民経済・行政アカデミーに所属するヴァルドマン・イーゴリ准教授、ノボシビリスク国立工業大学のクラシーリニコヴァ・エカテリーナ教授、雲南大学の晋群准教授、そして北海道大学のパイチャゼ・スヴェトラナ教授、天田顕徳准教授と董子昂博士研究員が、日本、ロシアと中国の地域社会の歴史と現在をめぐって、「記憶」をキーワードとして発表しました。これらの発表内容に対して、北海道大学のブンティロフ・ゲオルギー准教授と、漢陽大学の李俊榮研究助教授から質疑があり、活発なディスカッションが行われました。
19日、フォーラム参加者は北海道大学キャンパスや北海道庁旧本庁舎などに現地調査し、札幌市の歴史に触れ、10月の北海道における彩りの秋風景を満喫しました。
今回の活動は、漢陽大学大学院日本言語文化学科と北海道大学国際広報メディア・観光学院、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院の間の人員の交流のみならず、学問の越境や思想の深化、さらに地域への知的な貢献にも大きく寄与することができました。


